「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」


戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は、内閣府に設置された総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトです。

国民にとって真に必要な社会的課題や、日本経済再生に寄与できるような世界を先導する課題に取り組むものです。

平成26年度からは第1期の11課題(「重要インフラなどにおけるサイバーセキュリティの確保」のみ平成27年度から)、平成30年度からは第2期の12課題が推進されており、令和5年度からは第3期の15課題が実施されます。SIPでは、各課題を強力にリードするプログラムディレクター(PD)を中心に産学官連携を図り、基礎研究から実用化・事業化、すなわち出口までを見据えて一気通貫で研究開発が推進されており、「スマート物流サービス」は、第2期(平成30年度~令和4年度)の一課題として、物流サービスの効率化を目指す研究開発に取り組みました。

(参考)

 ・内閣府HP「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー)」

  (https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/index.html

 ・内閣府HP「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) スマート物流サービス研究開発計画(2022年5月13日)」

  (https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/keikaku2/11_logistics.pdf

「スマート物流サービスが目指す世界」


 スマート物流サービスでは、下図に示すように「Society5.0」の概念であるサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、サプライチェーン全体の最適化を図り、「サスティナブルな物流・商流」「廃棄ロス削減」「フィジカルインターネット」「省力化・省人化」「商品の安全・安心の提供」といった新たな価値の具現化を目指しています。

物流・商流を取り巻く環境は大きく変化しており、深刻なドライバー不足等による物流サービスの低下のみならず、物流費の高騰による物価の高騰といった、物流・商流に関わる企業等を超え、国民生活にまで影響を及ぼす「物流クライシス」が社会課題として顕在化しています。さらに、新型コロナウイルス感染症や不安定な国際情勢等、今後、我が国の経済成長と国民生活を持続的に支える「社会インフラとしての物流」を維持するためには、激変するグローバルな動向を常に把握しながら、最新の情報科学技術等を活用し、さらなる効率化と高付加価値化を図る必要があります。

このために取り組んだのが、スマート物流サービスの研究開発です。